当研究協会の事業目的   
   諸外国が日本を高く評価するものの一つが「長寿国日本」であり、その基となってきたのが「国民皆保険 制度」であります。病気やけがという不幸・不運に遭遇した際に、保険証 1 枚で、いつでも、どこでも、安 心して医療を受けることができるのは日本の優れた「公的医療保険制度」が大きく貢献しているところであ ります。この公的医療保険制度は、国民の負担する保険料及び税を財源として運営されている共助の制度で あることから、公平公正が得られることが前提であり、国民の共通の財産として制度を守り、維持していく 必要があります。

 このような中で、審査支払機関の役割は、医療に係る「診療報酬の適正な審査と迅速な支払」を確実に担 保するという公的医療保険制度の屋台骨であり、国民皆保険を支える社会インフラであります。この診療報 酬の審査は、保険医療機関等の診療行為が、国が定める保険診療ルールに適合しているか等をチェックする ものであり、公的医療保険制度の適正な実施運営を担保するうえで、必要不可欠な機能を担っているところ であります。

 また、保険医療機関等が診療報酬を請求するレセプトに占める電子レセプトの件数割合は、現在では、医 科・歯科・調剤を合わせた総合計で 98%を超えており、国の規制改革推進会議等からは、これを踏まえた審 査支払機関の審査の更なる効率化・高度化、機能強化等が求められてきたところです。今後の審査支払機関 の組織改革等の方向は、令和元年 5 月に社会保険診療報酬支払基金法の一部改正が行われたことにより明確 化されたところであり、具体的な柱としては、@支部の都道府県必置規定を廃止するなど支部長が担ってい る権限を本部に集約し、本部によるガバナンスを強化すること、A職員によるレセプト事務点検業務の実施 場所を全国 10 か所程度の審査事務センター(仮称)に順次集約すること、B現行、支部のもとに設置されて いる審査委員会は、本部のもとに(設置場所はこれまでどおり47都道府県に)設置することなどが示され たところです。

 これらの審査支払機関の機能強化・組織改革等については、今後の公的医療保険制度の適正な実施・運営 に少なからず影響を及ぼすことから、当研究協会としても、この成り行きを注視しながら、引き続き、医療 保険における診療報酬の審査支払業務の効率化・システム化に資するための調査研究事業、保険診療ルール の啓発普及の一環としての出版事業を行い、これをもって公的医療保険制度の円滑な運営に寄与することと しております。

 さらに、当研究協会では、人材紹介及び人材派遣事業を実施していることから、社会保険診療報酬支払基 金の勤務経験者を診療所・病院・保険者等に紹介又は派遣しているところであります。支払基金の勤務経験 者は、長年培った審査事務の高度な専門知識を有していることから、当研究協会では、支払基金勤務経験者 が診療所・病院・保険者等に就業できるよう支援することにより、結果として適正な審査支払業務の遂行に 寄与するとともに、公的医療保険制度の円滑な運営に資することとしております。



 
   一般財団法人 医療保険業務研究協会    
   理事長 小 田 善 則